AIツール1,142本を調べて分かったこと
紹介文を集めたのではなく、1本ずつ開いて確かめた記録です。2026-09-07 時点。 数字は掲載データから自動で集計しているので、このページは常に現在の値になります。
1. 「無料で試せる」の3件に1件は、実際には開かない
ブラウザですぐ試せるお試しページを 722 件開いて確認したところ、270 件(37%)はエラーか停止で使えませんでした。 置かれたまま動かなくなっているものが、これだけあります。 このサイトでは開けないものを一覧から自動で外していますが、 リンク集としてまとめているだけのサイトでは、まず気づけない部分です。
止まる理由はさまざまで、依存しているライブラリの更新で動かなくなったもの、 無料の実行枠が尽きたもの、作者が意図的に止めたものがあります。「公開されている=今も使える」ではない、というのが この調査で一番はっきりしたことです。
なお、開けた 442 件・開かなかった 270 件のほかに、 判定を保留した 10 件があります (8 件は休止中で、人がアクセスすると起動する可能性があります。1 件は機械からの接続だけを断られたもので、人がブラウザで開けば見られます。)。 どちらとも言えないものを、都合のよいほうに数えないためです。
ミロンドが無料AIのお試しページ722件を調査したところ、270件が正常に開けず、そのうち130件が実行中のエラー、102件が作者による停止でした。
出典: ミロンド「AIツール1,142本を調べて分かったこと」https://mirondo.net/report 確認日: 2026-09-07 調査対象: 722件
2. 半分以上は、専門知識なしで使える
AIツールは開発者向けという印象がありますが、集計するとそうでもありませんでした。
逆に言うと、手元で完結するものは 26% しかありません。 残りはどこかのサーバーに内容が送られます。会議の録音や社内の書類を扱うなら、 ここは選ぶ前に確認したほうがいい部分です。
3. 作ったものを仕事に使えるかは、名前では判断できない
ライセンスの本文を 536 件読み、44 件に、 使い方の条件が書かれているのを見つけました。 これとは別に 28 件は、ライセンスの記載そのものがありませんでした (書かれていない場合、自由に使ってよいという意味にはなりません)。 お試しページについては、ページ自体ではなく中で動くAIモデルの条件で決まるため、そちらも読んでいます。
ミロンドがAIツールの利用ルールの原文536件を読んだところ、44件に使い方の条件が書かれており、17種類に分かれました。最も多いのは商標・ロゴの制限ありで、商用利用の明示的な禁止はこれより少数です。
出典: ミロンド「AIツール1,142本を調べて分かったこと」https://mirondo.net/report 確認日: 2026-09-07 調査対象: 536件
お試しページを実際に開いて確かめた結果の詳細はお試しページ722件の調査結果にまとめてあります。止まっている理由の内訳と、 「ページの表示と中のAIの条件が食い違っている93件」を載せています。
見つかった制限を種類ごとに分けた内訳と、どの道具が該当するかはライセンス原文の調査結果にまとめてあります。読んだファイル名と読んだ日も載せています。
注意が要るのは、ライセンス名に non-commercial と付いていても、 制限の対象がモデル本体なのか、作った成果物なのかは本文を読まないと分からないことです。 実際、画像生成でよく使われる FLUX 系のモデルは、名前から非商用だと判断して 「仕事に使えません」と表示していましたが、配布元の本文には 「生成物は商用を含むどんな目的にも使ってよい」と明記されていました(制限の対象はモデル本体でした)。 逆に、名前に non-commercial と入っていないのに成果物まで非商用というものもありました。
4. 多くは活発に更新されているが、放置されたものもある
最終更新日の中央値は 80 日前でした。
動かなくなった、規約に反する、開発が止まったなどの理由で、これまでに 20 件を取り下げました。 取り下げた理由も公開しています。
5. 有名なものばかりではない
GitHubの星の数の中央値は 1,062 で、559 件(49%)は 1,000 未満です。 星が少ないから質が低いわけではなく、用途が狭いだけのものが多くあります。 むしろ「日本語の情報がほとんど無いが、やりたいことにはぴったり」という道具は、この層に多くあります。 分野は全部で 20 種類です。
6. 数が多い分野ほど、すぐ使えるとは限らない
分野ごとに、次の3つをすべて満たす道具が何本あるかを数えました。 「黒い画面(コマンド入力)が要らない」「APIキーの用意が要らない」 「作ったものを仕事に使ってよいと確認できている」の3つです。
| 分野 | 掲載 | 仕事で使えるか判定できた | 3つとも満たす |
|---|---|---|---|
| 翻訳・ことば | 26 | 24 | 13 (50%) |
| 議事録・文字起こし | 67 | 55 | 29 (43%) |
| AIモデル | 47 | 25 | 17 (36%) |
| くらし・便利 | 43 | 32 | 12 (28%) |
| データ・図解 | 36 | 23 | 10 (28%) |
| ローカルLLM | 48 | 36 | 13 (27%) |
| 音声生成 | 118 | 85 | 31 (26%) |
| 学習・まなび | 38 | 23 | 10 (26%) |
| 文章・メモ | 51 | 42 | 13 (25%) |
| 画像生成 | 210 | 170 | 47 (22%) |
| Claude Code関連 | 63 | 56 | 8 (13%) |
| RAG / PDF解析 | 63 | 55 | 8 (13%) |
| 動画生成 | 69 | 48 | 8 (12%) |
| 3D・ゲームづくり | 33 | 19 | 4 (12%) |
| 自動化 | 29 | 24 | 2 (7%) |
| AIエージェント | 114 | 105 | 7 (6%) |
| MCP | 47 | 45 | 1 (2%) |
一番多いのは「画像生成」で210 本ありますが、 3つとも満たすのは 22% です。 逆に「翻訳・ことば」は 26 本しかないのに 50% が条件を満たします。数が多い分野を選んでも、すぐ使えるものが多いとは限りません。
この数字は下限として読んでください。 仕事で使ってよいかを判定できていない道具は、満たさない側に数えています (分からないものを「使える」と数えないためです)。 掲載が 20 本に満たない分野は、数字が揺れやすいので載せていません。
ミロンドが分野ごとに調べたところ、掲載数が最も多い「画像生成」(210本)で「黒い画面が不要・APIキー不要・商用利用が確認済み」の3条件をすべて満たすのは22%でした。
出典: ミロンド「AIツール1,142本を調べて分かったこと」https://mirondo.net/report 確認日: 2026-09-07
7. 掲載している行き先は、全部つないで確かめている
お試しページ以外の行き先(GitHubのページと、会社が運営しているサービス) 727 件にも実際に接続して、今も開けるかを確認しました。 消えていたものは 0 件です。 なお 12 件は、そのサイトが機械からの接続を断っているだけで、 人がブラウザで開けば見られます(ChatGPTなど大手のサービスに多い)。 「消えている」とは別に数えています。
リンク集は放っておくとリンク切れが増えます。 このサイトでは、お試しページを毎日、そのほかの行き先を2週間で一巡する形で確認し、 開けなくなったものは一覧から自動で外しています。
何を、どこまで確かめたか
掲載している 1,142 本すべてを、すべての項目について確かめているわけではありません。 項目ごとに、実際に確かめた本数を出します。 確かめたものと確かめていないものを混ぜて「確認済み」とは書きません。
| 確かめたこと | 本数 | 最後に確かめた日 |
|---|---|---|
| 行き先を実際に開いて、今も使えることを確認した | 1,113本 (97%) | 2026年9月6日 |
| 利用ルールの原文を開いて読んだ | 536本 (47%) | 2026年8月14日 |
| 会社が運営するサービスの、公式の規約を読んだ | 37本 (3%) | 2026年8月23日 |
| 公式の説明を読んで、開発が止まっていないかを確認した | 643本 (56%) | 2026年9月3日 |
ミロンドは掲載1,142本のうち、掲載先が今も開けるかを1,113件、利用ルールの原文を536件、会社が運営するサービスの公式規約を37件、開発が止まっていないかを643件について確認しています。
出典: ミロンド「AIツール1,142本を調べて分かったこと」https://mirondo.net/report 確認日: 2026-09-07
調べ方
対象はミロンドに掲載している 1,142 本です(2026-09-07 時点)。 お試しページは実際にアクセスして表示状態を機械で判定し、 ライセンスは GitHub の LICENSE 本文とモデル配布元の条件を読んで判断しています。 「黒い画面が要るか」「APIキーが要るか」などの条件は、公式の説明を読んで人が判断したものです。 判断できなかったものは「未確認」とし、推測では埋めていません。
限界も書いておきます。掲載は無料で使えるものを中心に選んでおり、 有料サービスを網羅していません。したがって「AIツール全体の傾向」ではなく「無料で試せるAIツールの傾向」として 読んでください。また、状態は日々変わるので、引用の際は確認日を添えてください。
この数字を使ってよいか
使えます。CC BY 4.0(出典を書けば自由に利用可)です。 元データは /data/tools.json と /data/verification.json で 機械が読める形でも公開しています。詳しくは 公開データのページをご覧ください。
出典の書き方の例:「ミロンド(https://mirondo.net)調べ・2026-09-07時点」
英語版は /en/report にあります。